5月の運動会の前には、クラスのみんなが琥博くん宛てに書いた手紙とプログラムを持ってきてくれました。 琥博くんは、先生には「運動会は観に行く」と言いました。 手紙については、「字がわからない」と言ってすぐに閉じました。
「2020年6月」の記事一覧
「生きている意味がない。死にたい」と言わせた心の傷【琥博くんの個性が花開く場所 Vol.8】
日中を、琴子さんの実家で過ごしていた琥博くん。 「学校の昼休みに友だちに会いたい」と言うことがあったので、その時は、おばあちゃんが一緒に行ってくれていました。 教頭先生にご挨拶をしたとき、琥博くんの表情が苛立ったように変わりました。 その後、琥博くんは友だちとも会えたけれど、家に帰ってから、ずっと気分が荒れていたのだそうです。 そして、琥博くんは、おばあちゃんの涙ぐんでいる顔を見て、琴子さんに「生きてる意味がない、死にたい」と言って泣いたのでした。
母の意識を変えていった、子どもの言葉や体からの訴え【琥博くんの個性が花開く場所 Vol.6】
琴子さん「当時は、思うようにならずに癇癪を起こすことが日常になっていました。本当はこれが心の叫びなのに、前はわがままと思い込んで抑え込もうとしていたんだなと思います。徐々に耳が傾けられるようになったのは、チックが心理的なものと知った後から。そんなふうに身体に出たり、『母ちゃんは僕を苦しめる』などはっきりした言葉を繰り返したりしたことで、ハッとさせられ、イライラしたり言い聞かせようと思ったりせずに、受け止められるようになっていきました」
どうしたら学校へ行けるかという思いがあった頃【琥博くんの個性が花開く場所 Vol.5】
11月下旬。琥博くんから、「学校イヤ!ゼロ分もイヤ!」という言葉。 しかし、何がイヤなのか、ということはわかりませんでした。 この当時は、どうしたら学校に行けるかという思いがあったので、先生方と話し合い、先生に迎えにきてもらうことを試みることになりました。
学校に行きたくない。チック症状でメンタルクリニックへ【琥博くんの個性が花開く場所 Vol.4】
スイミングと学童を嫌がる一方で、学校生活に関しては特に問題が見られなかった琥博くんですが、2年生の新学期が始まると、気になる変化が訪れました。 「頭が痛い」「のどが痛い」と、保健室に行く回数が増えたのです。 さらに、家で宿題をしようとしていたら、「鉛筆を持つ手に力が入らない」と言うように。
小学1年生。スイミング、学童、行きたくない!【琥博くんの個性が花開く場所 Vol.3】
それでも琥博くんは、スイミングは嫌がりながら行っていましたが、学童はとても嫌がっていました。 「なんで学童行かないけんの!?」 琥博くんから何度も問われましたが、「仕事があるから一人で家にいるわけにはいかないからね」と当時の琴子さんは答えていました。
現在5年生。学校に行かない選択をした琥博くんの幼少期【琥博くんの個性が花開く場所 Vol.1 】
「不登校は、本人の心の叫びを表した結果。小さい頃からずっと疑問を抱き、納得いかないことをさせられてきた結果だと思うので、早く気づかされてよかったと思います。と語る琴子さん。 そこにはいったいどんなドラマがあったのか。琥博くんとのこれまでと、これからについて、乳児期からたどってお話を伺いました。