『HSC子育てラボ』では、オンライン勉強会を実施しています。

今日は、10月25日に行われた勉強会のレポートをお伝えしたいと思います。

今日は3名の方がご参加くださいました。

それぞれ、小学校3年生、2年生、1年生に子どもさん(HSC)がおられ、

偶然みな、「学校に行きたくない」という子のお母さんでした。

 

まずは、初参加のBさんに、お子さん(Mちゃん)についてお尋ねしました。

・Mちゃんは、学校に行くと元気で明るい子を演じてしまい、お友達にも好かれていた。

・でも、朝、学校に行きたくなくて泣いていた。

・お母さんは次第に、行かないなら行かないでいい、と思うようになった。

・教室での勉強に集中できない(うるさい、落ち着かない子が気になる)。

・「学校へ何で行くのかわからない」という。

・人の目が気になることも。

・お友達との関わりで、相手の悪意、怒られた、という取りかたをして落ち込む。

といった状況だったそうです。

 

Cさんは、

・お子さんが家にいる以外の選択肢がないかと模索中。

・区がやっているカウンセリングも利用。

・適応指導教室のようなところがあることを、Bさんのお話で初めて聞いた。

とのこと。

Aさんは、

・市がやっている適応支援を利用したものの、子どもさんが受け付けなかった。

・学校に行かせなきゃと思っていた時期の方が苦しかった。

・お母さんがお仕事を辞めて、学校へは行かないと決めて家で過ごしている今の方が楽。

ということでした。

 

裕Dr裕Dr

みなさん、子どもさんの気持ちに寄り添おうとされているのが感じ取れます。

多くの親御さんが、人並みだとか、社会から外れることに対する不安を抱えて、その葛藤で苦しんでいらっしゃる感じがするのです。

まず、子どもさんの気質が学校に合っているかという相性を見ていくことが重要だと思っています。

 

相性のチェックリスト

ここで、「学校との相性を知るための、20のチェックリスト」の確認です。

裕Drがたずねはじめると、Cさんの2年生のお子さん(Mちゃん)が、ほぼすべての項目についてお母さんに説明を求め、自分で答えてくれました。

ほとんどが当てはまっているうえに、お母さんが「そうなの?」と確認する場面も。

自分の嫌なこと、苦手なことを、はっきりとわかっていて感心しました。

ちなみに、ほぼすべてに近い項目に、「うん」と大きく頷いていました。

 

つぎに、「敏感と感じられるところ」や「HSCの特徴とされるところ」の確認です。

肌ざわり(タグ・チクチク)に敏感、大きい音や光にびっくりしやすい、味の違い・物の位置・髪型の変化など細かいところによく気がつく、騒がしい場所を嫌がる、刺激に圧倒されると疲れやすい、人の気持ちや感情の影響を受けやすい、人の気持ちや場の空気をよく読み取る、物事を深く考える傾向、慎重さ、考えが大人、創造性(クリエイティブ)、集中力の高さ、責任感の強さ

といったところが挙げられました。

 

家の中だけだと社会性ってどう育つ?

 

ここでAさんから質問です。

家の中だけだと社会性ってどう育ちますか?

自分で求めるまで待つスタンスではいます。

いざとなれば、合わせる力を持っていると思いますが、今は社会との接点が少ないので。

 

 

KokokakuKokokaku

そうですね、自分で求める時が来るのを待つのって、

私も大事だと思います。

不登校になってから大人になるまでの間に、社会と接点を持つことより重要なことがあるんですよね。

裕Dr裕Dr

社会性ということであれば、「オキシトシン」についてお話したいと思います。

オキシトシンは、愛情・愛着・母性・社会性ホルモンなどとも呼ばれています。

このオキシトシンは、母と子とを結びつける絆の源となっています。そして、「世話をする」「抱っこ」「授乳」という関わりの中で、その絆はさらに持続的なものとなって安定した愛着が形成されていきます。

そして安定した愛着が形成されると、子どもはその安定した愛着を土台として、新たなことを体験したり、人と触れ合ったりしながら、成長や発達を遂げていくのです。愛情をしっかりと蓄えて巣立っていくために必要なホルモンとも言えます。

KokokakuKokokaku

オキシトシンは、幸せホルモンとも言いますね。スキンシップとか、誰かのために料理をするとか、マッサージをするとか、感動することでも分泌されるとか

裕Dr裕Dr

母子の愛着を生み出すホルモンとして説明すると、「世話をする」「抱っこ」「授乳」という行為によって、世話を受ける側だけでなく、世話をする側でも、オキシトシンの分泌が促され、愛着という絆が、母親側からも子ども側からも形成されていくという相互的な関係性にあるんですね。

 

オキシトシンには、「不安を鎮める」「安心感を高める」「心地よさをもたらす」という作用がある。また、対人関係においても人への親しみを感じさせてくれたり、ストレスを感じにくくしてくれたりもする。

オキシトシンの分泌が悪いと、不安が感じられやすく、潔癖でこだわりが強かったり、「受け止める」「ゆずる」「許す」「待つ」などの寛容さが少なくなったりするだけでなく、対人関係や子育てにおいても喜びが感じられにくくなる。

敏感な気質を持つ子=愛着が脅かされやすいところがある。
愛着がきちんと獲得されているかが重要。
愛着関係に傷があると、なかなか巣立っていかないことも。

KokokakuKokokaku

お母さんがスキンシップや安心を与えることなどで、子どもにたくさんのオキシトシンを分泌させてあげるには、お母さん自身がオキシトシンの豊富な状態になることも必要なんですよね。

裕Dr裕Dr

その関係性の中で、特に敏感な気質を持つ子は、本来の良さや優れた面が発揮されやすいということも強調しておきたいところです。

 

ご参加くださった方の感想

今回から、当日の参加メンバーでLINEグループをつくることにしました。

そこで交わされた、メッセージをご紹介させていただきます。

(ご本人様に承諾をいただいています)

 

こうして安心の輪が拡がっていくといいですね。

ご参加ありがとうございました。