こんにちは。
HSC安心の基地、構築メンバーのヒロタです。
この記事は『1/9勉強会レポート『頑張り過ぎてしまう』HSS型HSCへの声掛け』の後編です。
※まず前編を読みたい方はこちらからお読みいただけます→1/9勉強会レポート前編『頑張り過ぎてしまう』HSS型HSCへの声掛け
前編では、参加者Cさんからの下記の質問から始まった勉強会の流れをご紹介しました。
息子が学級委員など頑張り過ぎてしまう。本人は頑張りたいようだけれど、母から見ると疲れ果てているように感じます。「頑張らないでいいよ」と声掛けしていますが、その対応はいいのでしょうか?
『1/9勉強会レポート『頑張り過ぎてしまう』HSS型HSCへの声掛け』より
このご質問に対して、
- Cさんのお子さんと同じくHSS型HSCだった参加者が子供の頃を振り返っての想いを話してもらう
- なぜ頑張り過ぎてしまうのか?の部分を理解することで、適切な言葉かけを考える
という流れで勉強会は進みました。
その続きとなるこの記事では、勉強会の後半の様子をお伝えします。
中でも、今回私の中で大きな学びになった斎藤裕先生のお話し『褒めることの重要性とその危険性について』を中心にお伝えしたいと思います。
子供の頑張り過ぎの理由の一つは『ほめ過ぎ』?
勉強会の中盤、頑張り過ぎの理由を考え、そこから適切な声掛けを考えて行く中で、Cさんからこんなご発言がありました。
子どもに対して感情的に怒らないように怒り方には気をつけて接していましたが、一方で賞賛が強すぎたかもしれないです。賞賛されていないといけないと思わせてしまったのかもしれません。。
『褒めて育てる』は現在多くの育児本で勧められている考え方ですよね。
私自身もそれを実践しようとする一方で、Cさんと同じような疑問を持つこともあり、ちょうど『褒めること』について悩んでいました。
このCさんの発言を受けて、斎藤裕先生がされたお話を次にご紹介します。
このお話が私の中のもやもやを取り除いてくれました。
『褒めること』の大切さとその危険性
子どもを褒めることは子どもの自己肯定感を育む上で大切だが、子どもを褒めることに誘導が加わると、親や大人のイメージ通りになるように仕向けるという意図が加わることになる。そのため、これが日常化した場合、子どもは自分で考え判断し行動するという主体性が育ちにくくなる恐れがある。今の子育て本の多くが褒めることを推奨しているけれど、その危険性には触れていない。
2019年1月9日 HSC子育てラボ『オンライン勉強会』議事録 斎藤裕先生の言葉より
私はこれまで『褒め』について迷い、色々調べるうちに『褒め=評価につながるから、褒めない方が良い』という考え方にも接する機会があり、自分の判断基準を持てないでいました。
でも、ここで気が付いたんです。
『褒めること』そのものを機械的にいい、悪いと考えるのではなく、どんな気持ちで褒め言葉を発しているか?が大事なんだと。
だから、これは私の個人的な解釈ですが、
- 親が望む行動に導くために『褒める』事はコントロールに繋がるからやめる。
- 子供自身から発した「出来た!」「わかった!」「頑張った!」を一緒に喜ぶ『褒め言葉』はどんどんかけていこう!
と決めることが出来ました。
上のお話を受けて、Cさんからはこんな発言がありました。
そのつもりはなかったが、コントロールになってしまったかも?
同じ対応をしても受け取る子どもによって、どう受け取るかは違うので、お母さんがこうすれば良かったとは一概に言えないと思います。良かった・悪かったのジャッジはしないでいいと思っています。
別の参加者の方からもこんな発言がありました。
お子さんはHSCならではの感じ取る力があるから、お母さんがコントロールしようとして褒めたんじゃないということは絶対に伝わっていると思います!
このやり取りからもこの会のいいところが感じ取れました。それは、kokokakuさんを始め、こんな風にお母さんの気持ちを大事にしていて、暖かさがあるところです。
子育てについて新しい知識を得ると、これまでの出来ていなかった自分にハッとして、『私のやり方が悪かった!どうしよう?』と自分を責めてしまうお母さんも多いと思います。(私もその一人です。)
ここでお母さんが自信を無くした状態で子どもに接しては、せっかく得た知識もいい形で発揮することは出来ないんですよね。
- 正しい知識
- お母さんの気持ちに寄り添う人たちの存在
この二つが両方あって初めて、母にも子にもいい影響のある学びだし、場所だと改めて感じました。
現在構築中のコミュニティも、この勉強会もまさにそんな場所だなと改めて思い、そこに参加出来る喜びを感じました。
HSCに伝えたい『境界線を引くこと』の必要性
また、ここで私がHSCの子どもたちに伝えたいと強く思ったのは『境界線を引くことの大切さ』です。
HSCの子供たちは、人の気持ちをまるで自分のことの様に感じ取る特性があります。
ですから、お母さんの褒め言葉に誘導の意図のあるなしに関わらず、お母さんの喜ぶ(または悲しむ)気持ちを感じ取り、相手を喜ばせたい!(悲しませたくない!)という気持ちが働きすぎてしまうことが多々起こると思うのです。
例えば私は、子供の頃だけでなくかなり最近まで、周囲の人が幸せでない責任が自分にあるような気がしていました。
周囲の人どころか、この世界に飢えている人や苦しんでいる人がいるのに、その解決のために何も力になれない自分を責める気持ちさえありました。
(この想いを人に話すと「どうしてそこまで考えるの?しょうがないでしょ?」などと全く理解されず、さらに悲しい気持ちになるのは、多くのHSC/HSPが経験していることではないでしょうか?)
でも、一人の力で全ての人を喜ばせることは出来ませんし、喜ばせなければいけない、と思う必要もないのです。
ただ、そう聞いてもなかなかそう思えないのがHSC/HSPでもあります。
もちろん自分が出来る範囲で、出来ることを人の為にするのは素敵なことです。
でもそれが叶わなかった場合でも、自分を責める必要はない。
まず大事にすべきは自分自身であり、自分を大切にすることが周囲の人を大切にすることにつながるということを、HSCの子どもたちに伝えたいです。
まとめ
勉強会ではこの後、もう一人の参加者の方からの質問や、愛着についてのお話しがありました。
愛着についてもかなり深い学びとなりましたが、これについては、今後勉強を更に深め、別の記事で機会をみてご紹介出来たら。。。と考えています。
HSCの子育てについて悩みを抱えていらっしゃるなら、是非一度、勉強会にご参加頂けたらと思います。
一度で全てのお悩みを解決できないかもしれません。
でも、ここには【理解される場、繋がれる場】がある、と感じて頂けるだけでも大きな心の支えになると思います。
私も今回初参加でしたが、多くの学びを得ましたし、悩みながらも子どもたちと向き合っているお母さんや、子供たちと日々関わっている人との出会いが自分を力づけてくれるのを感じました。
参加者の皆さん、ありがとうございました。