【新刊の発売が決定しました!】
『学校がつらいよ。無自覚な“学校信仰”がHSCの人生におよぼす影響』

「繊細な子」が抱える心の傷を癒やし、不足した愛着(アタッチメント)を取り戻すアプローチ

📖 2025年10月16日発売予定

書籍の概要

「学校がつらい…行きたくない……。」
「子どもが不登校になってしまった」──。
そんなとき、多くの親御さんは「学校に行かせなければ」と悩み、自分を責めてしまいます。

学校に通えなくなる理由は色々あると思うのです。
いじめられたとか、先生が怖いとか、集団行動が苦手とか、規則が苦手とか。

それは一時的なことだからと、多くの人は行かせるべきだと考えるかもしれません。
けれども中には、一時的ではなく、常に学校がとてもつらくて、行きたくないと感じる子がいます。
そんな子は、ひょっとしたら「HSC(Highly Sensitive Child)の、とても敏感で繊細な気質」を生まれ持っているかもしれません。

 

■ 本書で伝えたいこと

HSCは、周囲の目や小さな出来事に強く影響され、自己肯定感自尊心が揺らぎやすい子どもたちです。その敏感さは生まれ持った気質であり、決して弱さではありません。
しかし、学校や家庭での関わり方によっては、心の奥深くに傷が刻まれ、不登校や人間関係の困難として表れることがあります。

とくに日本社会に根強い「学校信仰」は、HSCの繊細さを無視し、「学校に行くことこそ正しい」という価値観を押しつけます。その結果、子どもの尊厳が損なわれ、愛着の傷やトラウマが積み重なってしまうのです。

 

本書では、繊細な子ども(HSC)が学校で直面しやすい苦しみと、その背景にある“無自覚な学校信仰”をひも解きます。そして、傷ついた子どもの心を癒し、親子が新しい関係を築いていくためのアプローチを紹介しています。

「繊細な子」と暮らすご家庭だけでなく、教育関係者や支援者の方にも役立つ内容です。
また、HSCのお子さんたちがこの本を読むことで、自らの尊厳を取り戻していくきっかけとなることも願っています。

【目次】

第1部 社会がもっと知る必要のあるHSC

 第1章 HSCの基礎知識      
 ・日本では、まだあまり知られていないHSC
 ・HSCの割合は?
 ・「神経質」で「臆病」というのは、生まれつきのもの?
 ・HSCの根っこにある性質には「4つの面」がある ~DOESについて~
 ・HSCの10の特徴
 ・周りにいる「HSCに関わっている大人たち」に対して心がけてほしいこと
 ・HSCと接する時の10のポイント
 ・人に預けるか、見合わせるかの判断の目安
 ・「自己否定感」や「トラウマ」を抱えやすいHSC
 〈コラム〉「本当はしてほしかったこと」―結子さんの物語

 第2章 HSCと愛着関係の傷        
 ・愛着関係の傷を負いやすいHSC
 〈予備知識〉見捨てられることに対する不安の強い「不安定な愛着パターン」を示すサイン
 ・愛着関係の傷を回復させるためには 
 〈予備知識〉HSCが、愛着関係の傷を抱えたまま大人になった時に見られやすい不安定型愛着スタイルとは?

 ・学校や幼稚園などの、周囲の環境への不適応に関係している「不安定な愛着」 
 ・安定した愛着を形成し直すことの大切さ
 ・気質の面だけに留まらず、安定した愛着形成や愛着の安定化に目を向けることが必要
 ・愛着関係の傷になり得ること
 〈コラム〉子どもの苦しみが、実は親が自覚すらすることのないような状況に起因していることがある
 〈コラム〉子どもの症状や問題には愛情と本来の自分を取り戻したいという無意識の〝願い〟が隠れている

 第3章 HSCと不登校とトラウマ    
 ・HSCのポジティブな面
 ・HSCと学校
 ・『HSCに多い、学校に適応しにくい特徴』
 ・HSCと不登校
 ・不登校に絡んでいるトラウマ
 ・HSCにとっては、小さな出来事でもトラウマになりやすい
 〈予備知識〉HSCが強いストレスにさらされた時の主な行動スタイルや適応のためのパターン
 ・トラウマが子どもに与える影響
 ・発達障害(神経発達症)のように感じられることも
 ・表に出ていない心の傷
 ・子ども時代のトラウマは、思春期・青年期以降に影響が出ることも
 ・愛着関係の傷を含むトラウマになった過去の出来事・体験によって身につきやすい習慣や傾向
 〈コラム〉「一番つらかったのは……」─美咲さんの物語

 第4章 トラウマからの回復に「妨げになるもの」と「必要なもの」
 ・学校に戻すことが解決ではない
 ・回復に欠かせない『安心の基地』
 〈予備知識〉親が子どもにとっての安全基地になるということとは
 ・回復の妨げになっている、〝マルトリートメント〟について自覚しておく
 ・回復の妨げになる、子どもの自己肯定感や主体性を削がないために、注意を向ける必要がある10項目とは
 〈予備知識〉子どもやパートナーとの間で〝安定した愛着関係〟を育てることが困難となり得る「有害なもの」とは?
 ・トラウマ予防に力を注ぐ
 〈コラム〉「パパが認めてくれた」─瑞樹くんの物語(前編)

 第5章 社会性を問う    
 ・「当たり前」で「正しい」とされる社会の常識の枠の中に生きる少数派の人たち
 ・子どもの反応・症状・言葉・態度には意味やメッセージがある
 ・HSCの本質とは
 ・本来の独自の人格を完成させようとする力の強さ
 ・小中学生の不登校が大幅増
 ・そこで「社会性」をどう捉える
 ・「義務教育」の『義務』は、「子どもが学校に行く義務」ではない
 ・立ちはだかる「子どもは学校に行かなければならない」という〝学校信仰〟
 ・傷が重ねられているというHSCの実態について、誰も責任をとらない
 ・親の過去の未解決の出来事や関係性を子どもの学校との関係を通して気づかせようとする
 ・学校教育制度の存在によって、学校側に認識されていないところで生じている、親子間の愛着関係の傷
 ・子どもの気質を深く知るということ
〈予備知識〉それぞれの気質の程度によって異なる、学校や社会での『適応』や『生きづらさ』のかたち
 ・HSC・HSPが持つ才能や能力を発揮させるための職業とは
 ・生まれ持った個性を花開かせる子育て
 〈コラム〉「パパが認めてくれた」─瑞樹くんの物語(後編)

第2部 不登校になったHSC。「ふつうであること」の同調圧力から子どもの尊厳をどう守るか

 第6章 「何」から子どもを守る必要があるのか
 ・不登校の要因として、認識されていない気質・愛着の問題・トラウマ
 ・「ふつうであること」の同調圧力からHSCを守るには、親の力だけで十分か
 ・個人の権利をどう守るか ~母親Mさんと息子Aくんを通して~
 ・不登校になった当初の段階
 ・大人の思惑に対し、子どもの拒絶反応が示しているもの
 ・学校以外を選択する方向への変化に立ちはだかる新たな困難
 ・双方(当事者側と支援者側)の方向性が一致しない段階で当たり前のように権利や安心を奪われる実態

 第7章 子どもの尊厳を守るための打開策 
     ~信頼できる「法律の専門家」の力を借りる~    
 ・「法律の専門家」である「弁護士」の力を借りる
 ・『保護者による文書』を作成
 ・「弁護士」による『意見書』
 ・『意見書』が光を当てたもの

巻末付録 脱学校して育ったわが子―通信制中等部・高校という選択

本文の理解を深めるための豊富な資料。
子どもに対しての捉え方や接し方を落とし込んで、すぐに実生活で活かせます。
(※ kindle版:カラー 紙の書籍:白黒)
ケースから学べる“章末コラム”収録。
HSCの気質や特徴・愛着・トラウマ・不登校・尊厳などをテーマに、親子の具体的な場面を通じて本文で学んだ内容を映し出し、情緒的に心へ響かせながら、新たな気づきへとつなげます。
(※ kindle版:カラー 紙の書籍:白黒)

読者様向け「特別カウンセリング枠」のご案内

現在、新規個別相談受付は休止しておりますが、
本書をきっかけに学び・気づきを深めたい読者様のために、 期間限定で特別枠 を設けます。(※受付開始は10月17日以降を予定しています)

  • 対象:本書をお読みいただいた保護者の方

  • 形式:オンライン(Zoom)

  • 内容:HSCの子育てや親子関係についてのご相談

  • 募集人数:若干名

詳細・お申し込みは[こちらのカウンセリングの詳細ページ]をご覧ください。

書籍購入方法

『学校がつらいよ。無自覚な“学校信仰”がHSCの人生におよぼす影響』は、
10月16日(木)よりAmazonにてご購入いただけます。

※Amazonでの販売スケジュールは以下の予定です。
 ・商品ページは10月12日前後に公開
 ・kindle版:10月12日頃予約開始、
  16日販売開始
 ・紙の書籍版:10月16日販売開始

著者プロフィール

斎藤裕(さいとう・ひろし)
1961年生まれ。久留米大学医学部卒業。
医師(元・精神保健指定医)。

約20年間、民間病院に勤務。
2008年から2017年まで心療内科クリニックを開業。
2017年、カウンセリングルームを開設。

アダルト・チルドレンや人間関係におけるトラウマからの回復を目的としたカウンセリングおよびセラピーを行ってきた。
現在、精神科医としての実務を引退し、『HSC子育てラボ』の顧問として活動している。
自らもHSC・HSPで、不登校や生きづらさの経験を持つ。
HSCにおいては、敏感で繊細な気質ゆえ抱えやすい「HSCと愛着の問題」「HSCとトラウマ」の研究を深め、「愛着の問題」「トラウマ」からHSCを守ることや、「愛着関係の傷を含むトラウマ」からの回復に欠かせない『安心の基地(環境)』を家庭に構築することの重要性を伝えている。
著書に、妻の斎藤暁子との共著『ママ、怒らないで。』[新装改訂版](ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。

 

斎藤暁子(さいとう・あきこ)
航空会社の客室乗務員として勤務後、結婚、一児の母。
心理カウンセラー。
当時、精神科医の夫が開業した心療内科クリニックでカウンセラーとしての経験を積む。
その後クリニックから転向して開いたカウンセリングルームにて 「生きづらさ」「母娘関係」「対人関係」「子育て」などで悩む方を対象に、インナーチャイルド・ワークを取り入れたカウンセリングを行っている。
2018年3月に『HSC子育てラボ』を立ち上げ、HSC(Highly Sensitive Child=繊細で強い感受性を生まれ持つ子)の気質が認知され、その気質や個性が守られるよう、コミュニティ運営や情報発信を開始。
現在は、HSC子育て、 不登校に関するカウンセリングも行っている。
著書に『HSCを守りたい』(風鳴舎)、小冊子絵本『敏感な子の守りかた絵本』(アート印刷)がある。