本記事は「心のサインを“回復の道しるべ”に変える6つの視点」シリーズの第3回です。
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過去の痛みは、不安が強まると「今の出来事」と結びつく

不安が強まるとき、
人は過去の痛みと“今の出来事”を結びつけてしまいます。

たとえば、
・昔のいじめ
・親にわかってもらえなかった経験
・抑え込んだ怒りや寂しさ
・「ひとりにされた」恐怖

など。

 

未消化の感情は、似た状況に出合うとスイッチのように噴き出す

これらの未消化の感情は、
大人になってから、

似たような状況や相手

に出合った瞬間、
まるでスイッチのように感情が噴き出します。

これは弱さでも、未熟さでもありません。

 

脳は「当時できなかった反応」を今こそ出そうとする

むしろ、脳が
「あのときできなかった反応を、今こそ出したい」
と知らせてくれているサインです。

 

トラウマを癒す鍵は「過去と現在をつなげる」こと

トラウマを癒す鍵は、
過去と現在をつなげていくこと。

「これは今の相手に感じている気持ちではなく、
あの頃の私が抱えていた痛みなんだ」

と気づけると、
心の重しが少しずつ外れます。

 

HSCやHSPが強く反応するのは、“傷つきやすさ”ではなく“深い感受性”

HSCの子どもやHSPの大人が、
人間関係で強い反応を示すのは、
感受性が豊かで記憶の層が深いから。

それは“問題”ではなく、
回復への入口なのです。

▶ 次回:④『パニック障害は、“閉じ込めてきた感情の満杯を示すサイン”

執筆者
斎藤 裕
『HSC子育てラボ』顧問/医師
妻との共著書に『ママ、怒らないで。』[新装改訂版](ディスカヴァ―・トゥエンティワン)、
『学校がつらいよ。無自覚な“学校信仰”がHSCの人生におよぼす影響』がある。
編集者
斎藤 暁子
『HSC子育てラボ』代表/心理カウンセラー