斎藤暁子(Kokokaku)です。
昨日の記事『【HSC】8歳息子さんのエピソード』を、情報提供して下さったCさんがご覧下さり、コメントとともに、改めて思い出されたエピソードを教えて下さいました。
ご本人の許可を得て、ご紹介させていただきます。
幼稚園の頃、お友達に手を出してと言われたので手をだすと、しっぺをされたそうです。
また手を出して、と言われるので出したらしっぺをされる。
また出してと言われたので「しっぺするから嫌だ」と断ると「もうしっぺしないから」と言われたのでまた出したらしっぺされたそうです。このやり取りを何回かしたそうです。
「もうしっぺしないから」を信じてまた手を出してしまうところが真面目すぎますよね。
といっても幼稚園の子供だからしょうがないですよね。
私に話してくれたので、幼稚園の連絡ノートにそのことを書いて幼稚園に行かせました。
そしたらその日は、息子が機嫌悪く帰ってきました。面倒くさいことになったよーといいながら。
しっぺをしたお友達と息子と先生の3人で話をする場を作ってくれたそうです。
そしたら「〇〇くんしっぺとか嫌がることはしちゃだめよ、ごめんね、は?」「ごめんね」「いいよ」そして息子に向かって「嫌な時は嫌だっていおうね!」「はい」そのやり取りがとてもストレスだったようです。
(いったのに辞めなかったし)(嫌だって言えないときもあるし)(嫌なことされたのはこっちなのに、こっちまで怒られた)と。
注意と怒られたの区別がついてません。
これと似たような出来事で嫌な思い、悲しい思いをするHSCの子はとても多いことを実感しています。
『標的になりやすい』ということです
これは特に、HSCだった幼少期の出来事を、クライエントさんからお伺いしてきたことと、
HSCの子どもさんとの関りを通して私の中にも浸透してきた感覚です。
だけれど、園や学校という環境では、クラスもお友達も先生も選べないのですよね。
そこに通う限り、与えられた環境の中で望まない出来事が起こることの予防は難しく、
特に敏感なHSCの子にとっては、様々な場面で嫌さ、辛さが負担になっています。
もちろんHSCにも様々なタイプの子がいるので、みんながみんな標的になりやすい
というわけではないことをお断りしておきます。
さて、Cさんの息子さんのような出来事があったらどうしましょう。
「どうして相手の言いなりになっちゃうの?」
「どうせしっぺするに決まってるから手は出さない!って言ったらいいじゃない」
HSC概念を詳しく知る前、私はこのようなことを口にしたことがあります。
でもいくらそう言っても、巻き込まれる時は巻き込まれてしまうのです。
これには、HSC(HSP)は「とても良心的である」という特徴も影響しているでしょうし、
よく言われる「境界線の薄さ」から、相手の思うままにコントロールを受けやすいといったことも考えらえます。
HSCの立場や気持ちは、息子の方が私よりずっとわかっています。
今回もまた、息子に協力を得て、この件について息子と話し合いました。
対応のヒントになればと思います。
Cさんの息子さんがされたようなことを自分がされたらどうする?
「どうせしっぺするんでしょ」って言って手を出さない
それでもしつこく言ってきたら?
手を出させる理由を聞く
それができればいいね。だけど幼稚園生の頃だとうまく言えないこともあるじゃない?
先生に言う
「先生、〇〇くんがしっぺして嫌だ」って?そうだね、たしかにそれだと先生がすぐにその子に注意できるから良いよね。でも優しかったりすると言わないで嫌な気持ち我慢しちゃうんだよね
その時はママから先生に言ってもらう
その子のママもね、先生に伝えたんだって。そうしたら3人でお話になって、そのことがすごく嫌だったんだって
ボクだって嫌だ。された方なのに何で行かないといけないの?って思う。あっちで遊んでいたいのに
そうだね、先生は公平にって思ってかもしれないけど、嫌なことされている時点ですでに公平じゃないからね。じゃあ、あっちはあっち、こっちはこっちで別々に話を聞いて解決してほしいってことね
そう。別々じゃないと嫌だ
それはママが直接伝えないとわかってもらえないだろうね
うん。それに「ごめんね」って言われるのは気まずい
そうなんだ
「いいよ」って言わなきゃいけない圧がかかってるし。「許さない」って言ったら先生は「はぁ?」ってなるでしょ
そうそう、「ごめんね」だって先生から言われてだしね。かたちだけのお詫びに付き合わされるのは嫌、面倒くさい、おかしい。そう思っておかしくないね
だいたいそういうことする子はお家で怒られたりしてストレス溜まってて、それを発散させてるから変わんないよ
ストレス発散の方法がこれなんだよね。こればかりはどうしようもないか
このようなやり取りでした。
HSCの子どもさんは本当に安心できる子との、親密な関係や温かい心の交流を求めていくことに幸せを感じる気質のようです。
そのことがHSCの子との関りから感じられます。
裏返せば、そう(安心)でない子と関わるのはストレスを感じやすいからできれば避けたいと感じていて、
でもそれを口に出すと周りを困らせることもわかっているので口にしないだけなのです。
親として、お世話になっている立場で先生にいろいろ要望を伝えるのは、けっこう根性が必要なのですよね。
園や学校で起こる嫌な出来事ひとつひとつに向き合うのは本当に骨の折れる作業だと思います。
そういう時は、わが子の感覚がどれほど正しいものだったかについて話したり、理解し合える人や何かがあると、できるだけ早くわが子を肯定的に捉え、気持ちに寄り添いやすくなることを実感しています。
Cさん、ありがとうございました。